本の内容紹介
今回ご紹介するのは、フリーランスライターの古賀史健さん著の『20歳の自分に受けさせたい文章講義』です。
この本のはじめに、学校の作文が苦痛になる理由が以下のように書かれていました。
「なにを書けば先生からほめられるか?」と、教師との人間関係を基準に考えるようになるのだ。模範的な作文がつまらない最大の理由は、ここにある。
もう、超共感。という感じですね。
私も、学校の作文では、道徳的に良いとされる内容を嘘のオンパレードといった感じで書いていた記憶があります。
この本では学校の作文とは違い、道徳的な指導ではなく、書き方の指導をしっかりとしてくれています。
頭で考えていること、話し言葉では表現できることをどのように文章で表現するかのノウハウが、余すことなく詰め込まれています。
今後、文章を書いていくにあたって何度も読み返したい本だなぁと感じました。
ライターやブロガーなど、文章を書くことを仕事にしている方はもちろん、
仕事でメールやプレゼン資料を作ったりする機会がある方も参考になる内容です。
目次
●話せるのに書けない!(→7ページへ)
●文章にリズムがない!(→55ページへ)
●「読みづらい」「わかりにくい」と言われてしまう!(→60ページへ)
●改行や句読点のコツを知らない!(→84ページへ)
●文章をどう展開していいか、よくわからない!(→105ページへ)
●伝わらない!(→155ページへ)
●書くことが多すぎて、絞りきれない!(→230ページへ)
●そもそも文才がない!(→267ページへ)
楽天ブックスの内容紹介より
どんな人におすすめ?
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』がおすすめなのは、以下のような方。
・ライターやブロガーなど、書くことを仕事にしたいという方。
・文章の書き方が全然わからず、コツが知りたいという方。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』3つのポイント!
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』のポイントを3つにまとめてみました。
1. 文章は、リズムが重要!
リズムが良い文章は、なぜスラスラと読むことができるのでしょうか。
それは、論理がきちんと展開されているからなんです。
文章では、会話とは違って表情や声で表現することができません。
論理が破綻している文章は、なにが言いたいのかわからず、スッと頭に入ってこないんですね。
では論理破綻を防ぐにはどうしたら良いでしょうか。
この本では、以下のように説明されています。
論理破綻に気づくためのキーワードは「接続詞」
文と文をつなぐ接続詞がないと、論理破綻に気づきにくくなってしまいます。
全ての文を実際に接続詞でつながなければいけない訳ではありませんが、
常に意識をすることが重要なんですね。
2. 面白さは、「構成」で決まる。
この本では、序論・本論・結論の3部構成について紹介されています。
この3部構成を考えるためのおすすめの手法として「文章のカメラワークを考える」といった手法があります。これは、映画などの映像表現を参考にするという内容です。
以下にポイントをまとめました。
- 序論…客観のカメラ(遠景)
まず、客観的な状況説明を行う。これから何を語るのか等。 - 本論…主観のカメラ(近景)
序論に対する自分の意見をのべる。 - 結論…客観のカメラ(遠景)
展開された自分の意見を、動かしがたい事実として論をまとめる。
本論では先に述べたように論理展開が重要になってきます。
文と文の接続は問題ないか、主張・理由・事実がきちんと入っているかを逐一確認するようにしましょう。
3. 読者を引き込むには
本の中に、こんなことが書いてありました。
いかなる読み落としや誤読も、最終的には書き手の責任だと思っている。
仕事をしていると、「さっきの資料に書いたのに・・・」とか、
「メールちゃんと読んでくれてないのかな・・・」とかいったようなことはよくあると思うのですが、文章は、相手にきちんと伝わってこそなんですね。
そのために必要な考え方は、”説得”せずに”納得”させるのを心がけること。
なぜなら人は、他人事には全く興味がないんです。自分事として捉えて納得して初めて、
読もうという気になるんですね。
自分事として捉えてもらうコツが本書では説明されていますので、3つのポイントに絞ってご紹介します。
- 仮説を一緒に検証していく。
⇨あなたはどう思うか?といった問いかけを効果的に使う。 - 起”転”承結で読者を巻き込む。
⇨冒頭に自分の主張と逆の一般論を持ってくる。
”転”で自分の主張や仮説を展開する。 - 自分の文章の反論を考え、自分でツッコミを入れる。
⇨読者と対話をするイメージで、反論に答えていく。
一言まとめ
本の詳細情報
書籍名:20歳の自分に受けさせたい文章講義
著者:古賀 史健
出版社:星海社
初版発行:2012年01月26日
ページ数:280ページ